こんにちは!ココカラです!
いよいよもうすぐ夏休みですね!
今年はコロナ禍で、夏休みお外に出かけにくいので、お家で読書しようかなと思っている人も多いと思います。
また、学校から大量の宿題が出て、その中でも読書感想文が1番苦手という小中高生も!
このブログでは、これからいろいろとおすすめの本も紹介していきたいと思っているのですが、
今日はそんな皆さんにおすすめの一冊、
博士の愛した数式
小川洋子著 新潮文庫
を取り上げますね。
映画化もされ、もう定番となった感もある一冊ですが、一見題名が硬そうなので、ちょっと敬遠しちゃう方もいらっしゃるかもしれなません。
ですが、この作品は数学のお話というよりもむしろ、忙しい毎日の中で忘れがちな、人と人との心の交流を丹念に描きだした作品として、夏休みなど時間のあるときに読むのに最適な、どなたにもおすすめできる、とてもいい作品です。
それでは以下、私なりの感想文です。
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博士の愛した数式
小川洋子著 新潮文庫 2019/6/8
私より6歳しか上でない女性が、もう15年も前にこのお話を書いていたことに驚く。
さまざまな仕掛けや暗喩が不思議な均衡を保ち、その中に読者が欲しがっている温かさがある。この不思議な読後感は何だろう。
簡単に結論づけできない心地よさ。
案外本当の生活とは日々こんなものではないか。
80分しか記憶が持たない冴えない老人が忘れてはいけないことをメモにして身体中に貼り付けているなど、ちょっとファンタジックな設定だ。この作品が書かれた後も、若年性アルツハイマーのような愛する人が記憶をどんどん無くしていくというお話はたくさん書かれたが、本来それはかなり深刻な状況だ。
しかし、このお話は、そのとても厳しい状況にある、冴えない老人が、案外幸せだったのではないかと思えてくる。それはルートという子どもに対する確信を持った愛情を発揮するとき、俄然この老人の魅力が光りだす。
それと呼応するかのように、大切なこの老人をなるべく傷つけないように、あるいは喜ばせようとまでして、必死になる家政婦とその息子が丹念に描かれるほどに、このような誰かを大切にする気持ちってあるよねと思い出される。
数の数学の世界はまだまだ深く興味深い。
完全数や友愛数やフェルマーの最終定理など、数学を勉強している中高生や、数学の世界に単純に興味がある人が読んでも面白い。
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いかがでしたか、
今日は、小川洋子著 『博士の愛した数式』をご紹介しました。
小中高生からお子さんをお持ちの親御さん、そして数学に興味のある方まで、幅広い方々に楽しんでいただける作品だと思います。
文庫版になっていますので、ぜひ手に取ってみて下さいね。